未開拓分野へのチャレンジを

2023年09月05日

タイトルの通り、未開拓分野への挑戦は様々なリスクが伴いますが、そのリターンも大きいモノです。バス運転手採用においても、まだまだ未開拓、未発見のものは多いと感じています。

一例として、障がい者採用にチャレンジしたバス会社について見ていきましょう。


障がい者採用については、業界問わず各事業者毎に見解が分かれる所ですよね。

国のレギュレーションに沿って運用している所もあれば、積極採用に戦力化している事業者も多数あります。


では、バス運転手の障がい者採用についてはどうでしょうか。


数年前に話題になったのがろう者のバス運転手、”まっちゃん”こと松山建也さん、東京バスに当時25歳で入社した全国初のろう者運転手として話題になった人物です。

ちなみに現在では同社を退社し、「かわせみ交通」という会社を立ち上げ、路線バスの運行を目指しているとのこと。

明るい性格と確かな運転技術で人気を博し、在籍中無事故無違反で活躍した障がい者運転手の第一人者です。


そもそも松山さんが運転手を目指したのは、2016年4月の道路交通法改正がきっかけ。それまでは大型二種免許の取得には裸耳で10メートル先90デシベルの警音器の音が聞こえるというのが条件だったのですが、改正後は補聴器でこの条件を満たせばクリアできるというもの。松山さんの熱意が、同社の運営陣の心を動かし、観光バスの運転手として採用されたわけです。

視力の部分では何ら問題のないろう者の方々に門扉が開かれたのは、バス業界のみならず大きな事です。


が、実際の運行にはそれなりに問題も生じたようです。

ろう者といっても症状は様々です。松山さんの場合はコミュニケーションに問題がありましたので、当初運行に関してはサポート社員が一名ついて接客対応をする必要がありました。

これ、事業的には運行に一台の運行に対して人件費が倍かかるという計算になります。

となると・・・やはり難しいところですよね。

永年的にではないにしろ、やはり現場で活躍してもらうには通常外の補助が必要であり、受け入れ態勢を整えないと、運用は難しいという事になりますかね。


あまり言いたくはないのですが、結果的に大きなプロモーション効果があったのも事実です。メディアへの露出も含め、少なからず利用客増などの好影響もあったように思います。

障害を持つ若者の夢をかなえるべく、リスクを承知でチャレンジした同社はやはり賞賛されるべきですし、努力し成功した本人も尊敬に値すると思います。


障がい者って、特別な存在ではないのですよね。

例えば、障がいを持っているせいで変な動きになったり、失敗してしまったり。

もちろんデリケートな所ではありますが、見て見ぬふりや目を背ける必要は無いと思うのです。その失敗が面白ければ一緒に明るく笑えばいい。その場を共有する事が一番大切であるというのが、現事業の準備期間に多くの障がい者と時間を共にした私の見解です。(もちろん、障がいの種類や重度によって違いますので、賛否はあると思いますが)

つまり、事業的視点で見ても、充分活躍できる人もいるし、優秀な人もたくさんいます。でも障がい者という括りだけでそれに蓋をしてしまっている現状があるわけです。


決してメディア戦略なども目的にする必要はありません。(言ってしまえばそれもウィンウィンと捉える障がい者がいればそれも良し)

障がい者を戦力化できる方法が無いか?過去の成功例も含めて検討するのは悪い事とは思いません。なぜなら、運転手採用においてゼロをイチにする事の大切さは十分採用担当者の方なら理解されていると思うからです。


という事で、障がい者という固定ジャンルにとらわれる必要はありません。

昔は女性運転手はほぼ皆無だったわけですしね。

未開拓であったり、全く進まない所に挑戦する事で大きな利を得るという考え方は、常に持っていたいものです。

例えば、アルバイト雇用ばかりのバス会社があってもいいかもしれません・・・よ。


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